研修主催団体: 森田療法セミナー事務局
研修内容: 第28回(2025年度) 森田療法セミナー開講のお知らせ
森田療法は、日本独自の神経症に対する精神療法です。森田療法の原型は、入院治療でしたが、最近は外来における森田療法が盛んになっており、医療現場のみならず、教育現場、企業のメンタルヘルスなど幅広いフィールドで活用されています。また、森田療法の対象も、従来の神経症に加えて、慢性のうつ病や心身症、職場や学校での不適応などに拡がりを見せており、その有効性が指摘されています。
そこで、森田療法の理論と実際を学ぶ機会として、専門家を対象にセミナーを企画致しました。関心のある方はぜひご参加いただければと思います。
なお、このセミナーは日本森田療法学会公認のものであり、セミナーへの参加は日本森田療法学会認定医、認定心理療法士資格の更新の条件の一つを満たします。当セミナーを修了した方(出席回数8回以上の方)には修了証をお渡し致します。
Ⅰ.森田療法とは
森田療法は、森田正馬によって1919年頃に創始された精神療法です。森田療法では、神経症の病理を「とらわれ」の機制として理解します。すなわち、不安や症状をあってはならないものと排除しようとする姿勢が、よりそれらを強めていく(悪循環)と考えます。こうした理解は、森田の人間観、不安のとらえ方を基盤としています。森田は、不安を病理ではなく、自然な感情反応としてとらえ、“より良く生きたい”という健康な欲求(生の欲望)と表裏一体のものと理解しました。しかしながら、神経症者は、完全欲が強く「かくあるべし」の構えが強いために、不安や症状を特別視し、それを排除しようとしてより一層とらわれ、自縄自縛の状態に陥ると理解したのです。したがって治療では、こうした不安に対する態度を修正し、不安をあるがままに受けとめ、本来の欲求をありのまま発揮できるように援助していきます。具体的には、日常生活への関与を促し、そこでの関わり方を取り上げながら、観念的な理解ではなく、体験を通した気づきが得られるよう介入していきます。
最近注目されている認知行動療法が、不安や症状のコントロールを目指すのに対し、森田療法は不安の受容を目指す治療と言えますが、症状の軽減にとどまらず、個々の生き方にも繋げていくアプローチと言えるでしょう。
Ⅱ.対象及び受講資格
本セミナー(入門コース)は森田療法の初心者を対象とし、森田療法の基本的な理論と治療の実際について講義を行います。
受講資格は、メンタルヘルスに関わる医師、公認心理師、臨床心理士、カウンセラー(学生相談、スクールカウンセラーなど)、社会福祉士、精神保健福祉士、教育関係者、医療関係者で、森田療法セミナー資格審議会が適当と認めた方です。原則として、クライアントに対する守秘義務のある専門家で、かつ、臨床現場を持つ方を対象とします。
本セミナーでは、入門コース(オンライン開催)と次のアドバンスコース(オンライン開催)をセットで学んで頂きたく、できる限り2年コース(連続でなくてもかまいません)で受講することを推奨いたします。
尚、アドバンスコースへ進む場合、入門コースの修了が条件となりますのでご了承ください。
Ⅲ.期間と日時
2025年5月~10月(全10回)木曜日(原則)
19時から21時
Ⅳ.受講料(テキスト代3,200円含む)
医師:6万円
メンタルヘルス従事者:4万円
大学院生(医師・社会人大学院生は除く):2万円
【テキスト】森田療法(心理療法プリマーズ)北西憲二/中村 敬 編著(ミネルヴァ書房)
Ⅴ.開催方法
オンラインセミナー(Zoomによる)
Ⅵ.セミナーの運営
このセミナーは、セミナー運営委員会が主体となって企画・運営を行い、このセミナーを通して、森田療法家の育成を図り、日常の臨床に森田療法が生かされることを目的として開催されるものです。
<セミナー運営委員会>
北西 憲二(運営委員長) 久保田幹子(事務局長) 樋之口潤一郎 金子 咲
<セミナー事務局>
森田療法セミナー事務局(法政大学現代福祉学部 久保田研究室内)
Ⅶ.セミナーの内容
A.研修内容
◇ 第1回(5月8日) 北西 憲二
森田療法家のすべきこと(作業仮説と治療)
~森田療法入門~
◇ 第2回(5月22日) 中村 敬
診断と面接の進め方
~対象の選択、診断手順、治療の選択、治療導入~
◇ 第3回(6月12日) 久保田 幹子
日記療法と面接
~面接および日記療法の進め方と具体的なコメントの仕方~
◇ 第4回(6月26日)岩木 久満子
森田正馬の治療実践と概念
~通信療法の事例をもとに~
◇ 第5回(7月10日) 橋本 和幸
外来森田療法の進め方(1)
~治療の舞台と過剰モデル~
◇ 第6回(7月24日) 舘野 歩
外来森田療法の進め方(2)
~森田療法とACTの比較から~
◇ 第7回(9月11日) 金子 咲
外来森田療法の進め方(3)
~グループの活用~
◇ 第8回(9月25日) 松浦 隆信
外来森田療法の進め方(4)
~カウンセリングと森田療法~
◇ 第9回(10月9日) 新村 秀人
外来森田療法の進め方(5)
~逆説的な介入~
◇ 第10回(10月23日)樋之口 潤一郎
外来森田療法の進め方(6)
~短時間診療に活かす~
B.講師(講演順)
北西 憲二(森田療法研究所・北西クリニック 院長)
中村 敬(東京慈恵会医科大学森田療法センター 名誉センター長)
久保田 幹子(法政大学大学院 教授、東京慈恵会医科大学森田療法センター)
岩木 久満子(顕(けん)メンタルクリニック 院長)
橋本 和幸(調布はしもとクリニック 院長)
舘野 歩(東京慈恵会医科大学精神医学講座 教授)
金子 咲(東京慈恵会医科大学附属第三病院精神神経科、同大学森田療法センター)
松浦 隆信(日本大学文理学部心理学科 教授)
新村 秀人(大正大学臨床心理学部臨床心理学科 教授)
樋之口 潤一郎(潤クリニック 院長)
Ⅷ.参加申込とお問い合わせ先
参加を希望される方は、下記の事務局へメールでご連絡ください。
<森田療法セミナー事務局>
〒194-0298 東京都町田市相原町4342
法政大学現代福祉学部 久保田研究室内
森田療法セミナー事務局宛
E-mail:morita.seminer@gmail.com
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