兵庫県臨床心理士会 第62回研修会のご案内
・日 時:令和6年 7月7日(日)10:00〜16:45
・形 式:オンライン
・研修テーマ:「ジェンダーと心理臨床」
今回の研修会のテーマは、「ジェンダーと心理臨床」です。世界の男女格差をはかる指標として「ジェンダー・ギャップ指数」がありますが、世界経済フォーラムの報告書によりますと、2023年度の日本の指数は146ヶ国中125位で、前年度の116位からさらに9ランクダウンするなど、ジェンダー・ギャップは縮小するどころか拡大しています。
このような結果には、男性が優位に立って女性を支配する旧態依然とした日本社会の現況が如実に反映されていると考えられます。身近なところで具体例を示しますと、家父長制が根強く残る家庭では専業主婦による家事や育児は無償労働とみなされており、また看護、介護、福祉、保育、教育、そして心理臨床といった女性が担うことの多い現場では、対人援助の労働賃金は低く抑えられています。
そこには、「男らしさ」が統率力に、「女らしさ」が従順さに結び付けられてしまうといった「ジェンダー・バイアス」の問題も絡んでいると思われます。近年では、このような女性の問題のみならず、「男のくせに」統率力がない、経済力がないなどと揶揄され、深刻なうつ状態に陥る男性の問題にも耳目が集まるようになりました。
このように日本社会には、性別に不必要な区別をしない「ジェンダー・フリー」な社会の実現可能性が低いといった現況があります。臨床現場で出会うクライエントが、性別の「らしさ」ではない、「その人らしさ」を涵養できるように支援するわれわれ臨床心理士には、どのような臨床的スタンスが求められるのでしょうか?
本研修では、ジェンダーの問題に造詣の深い宮地尚子氏のご講義と事例検討を通して、心理臨床場面でジェンダーの問題に関わる上での臨床心理士ならではの専門性について、会員の皆様とともにディスカッションできることを期待しています。
・タイムテーブル:
9 :15~10:00 受付(入室開始、待合室での待機)
10:00~10:10 会長挨拶、趣旨説明
10:10~12:40 午前の部 講義「ジェンダーとトラウマ」
講師: 宮地尚子(一橋大学大学院社会学研究科)
「ジェンダーとトラウマは、それらを直接取り扱うわけではなくとも、あらゆる心理臨床の場面において重要なものです。ジェンダーをめぐるクライアントやセラピスト自身の規範やふるまいを見直すことの意義や、トラウマに配慮するケアの在り方について、皆さんと議論したいと思います。」
12:40~13:30 総会(2024年 兵庫県臨床心理士会 総会)
13:30~14:15 昼休憩
14:15~16:45 午後の部 事例検討会「性被害を受けた米国人男性のトラウマ体験とジェンダー」
講師: 宮地尚子(一橋大学大学院社会学研究科)
事例発表者: 辻河昌登(帝塚山学院大学大学院人間科学研究科)
・申し込み要領/参加費:
兵庫県臨床心理士会会員 2,000円 (オンラインにて通常価格より1,000円割引しました)
※会員マイページから5月18日以降にお申込みが可能です。
会員マイページからのお申し込みの場合は、研修受講の履歴が残り、後から確認することが可能です。ぜひご利用ください。
兵庫県臨床心理士会会員以外の臨床心理士・日本心理臨床学会会員 5,000円
臨床心理士養成大学院在籍大学院生 2,000円
非会員の方のお申込み先はこちら
参加申し込み手続きに合わせて決済をお願いします
(領収書をご希望の方は兵庫県臨床心理士会事務局までご連絡ください)
・申込締切 6月26日(水)締切厳守でお願いいたします。(定員1,000名/先着順)
※なお、一旦支払われた参加費はいかなる理由があっても返金いたしません。また、締切以降のお申込みには応じかねますこと、また直前にお問合せには応答できない場合がございますこと、ご了承ください。
・研修ポイント:
全日程参加者には臨床心理士資格認定協会より2ポイントを申請する予定です。
Zoomへの入室確認と、終了後のアンケートに回答、いずれもが確認できた場合に研修会に参加したとみなします。
兵庫県臨床心理士会 研修委員会
理事:辻河昌登(委員長)、伊藤俊樹、井戸りか、古屋有華、横川滋章
協力委員:大島崇徳、栗添恵理、櫻井興平、前田麻更
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